時空を超えるメッセージ / ヨロズの本棚より「奇跡の脳」

炎のリコードファイターMUSICA YOROZUです。
主人は「・・・でなければ改善する」とDr.BREDESENからも治らないよとお墨付きの進行したⅢ型アルツハイマー病。確かにしつこい、どうにもこうにも苦戦の連続。。。
すでにこうむってしまったダメージはリコードの基本行動ではどうしようもない。あの手この手 猫の手孫の手 リコードを超え、どこまでも荒野に分け入って挑戦はつづきます。



ちょっとした待ち時間にも 主人は必ず文庫本を広げる。
失語症、失読症、たぶん1行でも文字数が多すぎる。目は文字を追っているけれど理解はできていないはず。それでも必ず本を持ち歩く。

最近の外出の友は2冊 「パブロカザルス 鳥の歌」と「奇跡の脳」


もともと主人は本の虫。図書館で山ほど借りてきてさらりと読む、気に入ったら購入。枠で囲み、書き込み、何度も読み直し、血肉になるまで咀嚼する。そんな主人の失読症の兆候は 思えば15 年ぐらいさかのぼることができる気がする。
取り寄せたり、古書店で発掘してきたり、本が増える一方なのに どうも読了した様子がない。
「おい、読んで内容を教えろ」などという横柄な言葉が増える。
読む気がないのに本を増やさないでほしい、とどれほど思ったことか。
本棚には脳科学や認識に関する本がかなりのスペースを占めている。読むことに四苦八苦しながら 迫りくる異変に対する対策を探していたのかもしれない。

奇跡の脳

この1冊はMCIの疑いで要観察、入院検査待ちのころに主人が探してきたものです。
著者は脳科学者。自身の脳卒中の経験、その後のリハビリ、科学者として再起するドキュメンタリーで、脳機能を失っていく過程で経験する「多幸感」や リハビリに向かうことの意味が当人にとってどのように感じられるかなど、貴重な情報にあふれています。

1冊購入、読みながら「オマエも読め」との命令(?)とともに私用の文庫本、その後ハードカバーの単行本、原書まで取り寄せていました。

読めているのだろうか?
またまた道楽、いい加減にしてほしいと思ったものです。

九州への旅

さて 先月のことです。法事があり、新幹線で九州へと向かいました。買い物、荷造り、車内で食べるリコード的お弁当、リコード的おやつ etc. の準備で消耗しきった私は、乗ったらお弁当、主人にはおやつを渡して ゆっくり睡眠時間にするぞと何も持たずに、主人は2冊の本をお伴に出発。
けれど なんとなく眠れず「どっちか1冊借りていい?」と開いたのが”主人の”「奇跡の脳」でした。

解けていく疑問

リコードに出会う前、脳のトレーニングで何とか進行を阻止できないものかと何度も読んだので内容はほぼ覚えていたつもりでした。ダメージを克服していくリハビリの過程、努力 そんな記述に当時興味があったものだからこの本の根幹はそこだと思っていました。なので文章が読めるようになるものならリハビリの友として 主人が読むのに最適な本だと。

もちろん、リハビリによって回復していく著者の記録は素晴らしく、アイデアの宝庫です。

しかし それ以上に脳がダメージを受けることによって 当人に感じられる世界がどのように変化していくのか、回復の過程で感性がどのように作用したのかの描写に何度も雷に打たれ何度も息をのみました。
以前も「これはスゴイ記録だな」とは思っていたのですが 個々の記述の持つ現実性とパワーをここまで感じ取ることはできていませんでした。

著者が脳卒中を起こした患部は、左側頭。主人の血流低下部位 萎縮部位とほぼ重なります。

なぜそこまで話が通じないのか
どこかで感覚がねじれて世界が違って見えている?
行動の意味が不明
優先順位がねじれるのはなぜ?
学習を阻んでいるものは何か?

主人は比較的分析的に自分の状態を説明してくれるので ナルホド と思うこともあるのですが、それでも解けない謎、どうしても逃げられない違和感が残り そんなものかとあきらめていました。そう、病気なのだから仕方がないと。

それが 知らなかっただけだと教えられました。勝手に破壊されていては仕方がないと思い込み、理不尽さに追い詰められていたのだと。部分的に機能を停止した脳がどのように世界を感じるのかを裏側から教えられました。

実際に何を感じていたか

もう一つ 今回手にしたのが”主人の”本だったということ。書き込みをしながら読む習慣があった主人の残した読書のあとが”主人の”見えていた世界を教えてくれています。
すでに失読症がかなり進んでいて 1冊読み終えることにものすごいエネルギーを使ったはずです。当時手に取った本で読了できたものは少なかった。
残された記録と 5年の歳月をこえて 必要になった今、もう一度眼前に現れてくれたことに「奇跡」を感じます。

リハビリへの応用


左脳が停止していく 右脳が補おうと働く、感覚に訴えかけないものを「バカげている」と退けてしまうのは自然なことです。
コトバによる説明などはもっともバカげたこと。
何度説明しても 拒否、ルールは無視。それは右脳が正常に働いている証拠で 理解する能力がないわけではない。
刹那的な美しい世界に住んでいる主人には 時系列や帰納的思考は全く意味をなさない。
となれば いかにして 正常に働いている右脳に休んでもらい、機能不全のエリアに報酬を与えるような課題を考案するかということになります。
そして 主人の残した書き込みが 主人の右脳の嗜好を教えてくれている。
多重ラビリンス攻略への 魔法書 として今後もくり返し読んでいきたい本です。

現実の応用例は 随時レポートいたします。



インフォメーション

RECODEプロトコルに必要なものは 毎日根気よくつづけること。どんなにつらくなっても信じること。身体と命を守るための当たり前の行動だから 必ず良い反応があります。主体は本人、そして支える家族。

実行者、回復者が増えてくることを望んでいますが、中途半端な実行は危険なこともありますから、しっかりとしらべていただきたいと思います。

ReCODEプロトコルにまつわる困難とリスクについての考察 

アルツハイマー病とどう生きていくか あまりにも過酷な選択



まずは「アルツハイマー病の真実と終焉」をお取り寄せしてみましょう。

【重要!!】
リコード部の黒沢うにさんがまとめてくださいました



ReCODE認定の先生
日本初のRECODE認定医 今野先生

暖かいお人柄と豊富な経験でサポートしてくださる菊池先生
認定医ではなくても栄養療法を取り入れているクリニックでは 協力を得やすいように感じています。


ここに経験者、仲間がいます。アルツハッカー掲示板メンバー登録



YOROZUサポートDr.をお知りになりたければ個人的に連絡くださるのも歓迎します。

私たちよりももっと大きく改善する可能性のある方が大勢いると思っています。
主人は改善が難しいと言われる型ですが 私たちはあきらめていません。



生活視点 生身で体当たりのブログはこちらです~そのまんまでいいよ&ゆっくりしいや~こちらもよろしくお願いします



YOROZU×YOROZUの音楽活動にもご支援いただけましたらありがたいです


主人への取り組みをベースにリコード目線で音楽療法を編み上げました。リラクゼーション&フィジカルトレーニングに音楽を組み合わせ個人仕様でお手伝いします。幼児からシルバーまで!ヴァイオリン・ピアノ・ヴォーカル 楽しく学ぶならここ /京都 よろず音楽塾

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