ホモシステインの値は何も語ってくれない(その4):手段と目的を間違えないでね

もう空振りしない、ていねいに代謝改善からの本気で解毒。今度こそ成功したか?4年目進行中のYOROZUです。
知らなければわからない。空振り続きの1年目から2年目にかけてのホモシステインのふるまいの裏にあった代謝事情を推理、その4回目。


レポートシリーズです
リコード2年 をレポート / 解毒篇その1(こんなことをやりました)
リコード2年 をレポート / 解毒篇その2(水銀)
リコード2年 をレポート / 解毒篇その3(バイオトキシン)
リコード2年をレポート  / 解毒篇その4(検査結果から
リコード2年 をレポート / 生活篇その1(知らずにやってました
リコード2年 をレポート / 生活篇その2(検査難民 めかくししたままのあゆみ)

リコードサプリ:Step2.

Step1.で(ビタミンB群の摂取で)ホモシステインの値を改善できない場合、グリシンベタイン(トリメチルグリシン)を1日500mg 追加する。

Step2.でホモシステインが下がる仕組み

この対策で狙っているのはホモシステインの値は何も語ってくれない(その1):ホモシステインってなんなのさ? でも触れたようにベタインがDMGに代謝されるついでに余ったメチル基でホモシステインをメチオニンに戻しておきましょうか?という「ついでの経路」の活性です。

関係する酵素はBHMT(ベタインホモシステインメチル転移酵素)

まったくもってまんまのネーミングですね。代謝って、専門性守ってせっせと働く酵素たちによってささえられてるんだ、と、3年目突入時にこのネーミングを知ったときに深く感動しました。

ベタインの別名はトリメチルグリシンです。3メチルつきのグリシン。サプリメントでベタインの濃度が上がると、BHMT はせっせとメチル基を取り外して、ホモシステインにメチル基を転移する。そしてホモシステインはメチオニンにもどるというお話。



DMGはジメチルグリシン=2メチルつきのグリシンで、そのあと グリシンへ それからクレアチン、クレアチニンへと代謝されていく。代謝の連続はなかなかドラマチックです。

Step1.と Step2.のねじれ

「よし!ベタインの摂取でホモシステインが下がったぞ」ほんとにそれでいいのでしょうか?「よくねー!」と思える人は次へ進みましょう。「え?何がダメなの?」と思った人は復習しましょう。

↓ ↓

ビタミンB12を使う Step1.の狙いは、メチオニン回路を回すことで、ホモシステインをリサイクルしてSAMeをザクザクつくることだったはずなのです。その結果ホモシステイン値が下がる。SAMeは「神経をととのえたり、他の代謝を円滑にしたり、プルプル細胞膜を維持したり、DNAの連結に付加されて遺伝子の働きを整えたりして健康の維持に大きく関与」するものです。

Step1.で下がらなかった場合、Step2.で確かにホモシステインは下がります。そしてメチオニン→ホモシステインの反応過程で少量のSAMeも生まれますが、図にあるように、この経路そのものがSAMeを消耗するので、決してStep1.の代替えにはならない。炎症や心疾患の危険因子であるホモシステインが下がること自体は悪くないのですが。

YOROZU的には、あくまでも Step1.の最適化を目指して、遺伝子発現の影響や酵素の活性状況を考慮して、3種類のB12、メチルコバラミン、ハイドロキシコバラミン、アデノシルコバラミンのバランス、リチウムをはじめとするミネラルの濃度調整、ATPの確保に取り組むべきだと思います。最適化のヒントはヌートリジェノミクスにあります。

ヌートリジェノミクスは まずこちらの本から


2年目の奮闘の実際と推理

2018/04  ホモシステイン計測:8.2 nmol/dl
2018/07  MSS nBコンプ(旧製品)に変更
2018/08  MSS nBコンプ(旧製品)増量
2018/09  ホモシステイン計測:15.3 nmol/dl
2018/09  Thorone Reserch メチルガードに変更
2019/01  ホモシステイン計測:11.9 nmol/dl

オーソモDr.のアドヴァイスのもと、「アルツハイマー病 真実と終焉」を片手に必死の対策、のはずがめちゃくちゃに迷走してますね。メチレーションのバランス補正におおむね成功した今だからわかる、いやあ、ひどいもんだ。

1段ずつ見ていきます。

2018/04  ホモシステイン計測:8.2 nmol/dl

この時の対策
・メチルガードを1日3錠
(アドバンスタイプのBコンプレックスと信じて)
・かなり強めのケトンダイエット3か月目
(脳にはケトン体と信じ込んで)
・若干多めのたんぱく質
(筋肉をたくさん作るために必要と思い込んで)

そして、この値ですから、「まあまあ成功!この路線でもっと頑張ろう」と思いました。
この前後での毛髪検査では、リチウム枯渇とB12が空振りの様子が読み取れるのに、当時はぜんぜん気づいてない。たのむよDr.ズバッと指摘してよ、解析料お払いしてるんだから!

第1の回路がストップしてるのに、ホモシステインがまあまあ低い、これはとてもオソロシイことなのです。メチルガードの成分を見てみましょう。
そして、ホモシステイン代謝の3方向の図



まずですね、1,200mgというハイドースのメチルコバラミンに、遺伝子的にメチル基利用能が低い主人は耐えられない。

遺伝子的に活性を起こしやすいBHMT経路は、ハイドースのベタインで、大量のセリンとグリシンを産生して、あれこれめぐってCBSの過活性を起こす。

ハイドースP5PはCBSを刺激してホモシステインをシステインへとひっぱる。だけじゃなくて、別代謝でセリンの産生をUPしてCBSの過活性を起こす。

強めのケトンダイエットは脳内の低血糖状態を起こして、これもあれこれ経由してCBSの過活性を起こす。

多めのたんぱく質摂取は、分解にATPを消費して、そのあと大量のアンモニアになり、これもあれこれ経由してCBSの過活性を起こす。(だけじゃなくて別代謝で精神の不安定につながる)

これなら間違いなくCBSに引き込まれてホモシステインの値は下がります!

そして、タウリン増産、グルタチオン枯渇が起こる。
この状態で週2回のグルタチオン点滴に通ってたのですから、何やってんだい!?

2018/09  ホモシステイン計測:15.3 nmol/dl

Dr.の提案で、2018/07  MSS nBコンプ(旧製品)に変更、2018/08  MSS nBコンプ(旧製品)増量したことの追跡検査です。(現在MSSサプリはベタインがブレンドされたNBXという製品にかわっています)

YOROZU「あちゃー!!ホモシステイン増えた」
Dr.「残念です~」

これはギャグじゃありません。そのままのやり取りが診察室内でありました。

しかし、現在の知識で分析すると、これはちょびっとナイスです。相変わらずメチオニン回路動いてないけどCBSがおとなしくなったってことだから。

MSSサプリの特徴は、活性型ではないビタミンBを大量に入れて各自の変換&利用能に応じた効果を期待するものです。動きにくいところは動かないまま、余分なところは活性しないまま、身体にやさしいといえばやさしいですが、う~ん、アルツハイマー病ではそれじゃ間に合わない気がする。そして、水溶性で余ったら流れるから大丈夫、という大量摂取、ほんとのところはどうだったんでしょう?この時の血中濃度、他の項目オソロシイ値になってました。

B6の大量摂取は「手袋状」「靴下状」の感覚障害を起こすとされています。いや、まさか!もともと手指の感覚異常を持っていた主人、通常安全という量であっても悪化させた可能性!?どこにも証拠はないのですが・・・うわあ、かんがえたくない~!!!

2019/01  ホモシステイン計測:11.9 nmol/dl

そして、メチルガードに戻して3か月と少し。
4月のレベルにまでは下がっていません。これは、この間にKetoflexから、ガンドリーベースのヨロズ飯に変更して、糖質の扱いとたんぱく質摂取量が変わったことによると思われます。数字的にはNGに見えますが、CBSの過活性からは逃れられていたようです。


診察室での会話

Y「下がんないですねえ」
Dr.「もっとB12の量を増やしてみましょうか?ドクター処方で輸入できるものを探しますよ。摂り過ぎで何かあったときに、個人輸入では誰も責任取ってくれませんからね」

これもギャグではありません。
責任とる、とらないじゃなくて、Dr.!何かあったらこまるんですけどお?

このあたりから、ぼちぼちとヌートリジェノミクスの勉強を始めかけていたYOROZUとしては、トライ&エラーで修正というのにかなり疑問を感じ始めてました。遺伝子で予測できるところにエラー出してる場合じゃないやんっ!てね。(それでもまだ、遺伝子検査に踏み切れない臆病もの)

Y「もう少しホモシステイン、さげたいですね。メチルガードでB12もベタインも結構な量摂ってますけど」
Dr.「こちらで探したんですけど、ベタイン配合のよさげなのが見当たらなくて、どうします?」
Y「ベタインダイレクトじゃなくて前駆体から入れなさい、というのもあるんですが」
Dr.「その方が身体にやさしいということですかね?」
Y「それからリコードの本の記述だと、メチオニンの摂取を減らせとなってるんですけど」
Dr.「う~ん、メチオニン減らしちゃうのお?どう思う?”栄養士”くん的に?」
栄「それは・・・食べられるものなくなりますよ」

ギャグじゃないです。
3人で真剣に困っていました。遺伝子変異に代謝ストップのスーパーコンボがあるとは思いもしないで。

Step3.それはちょっとまずくないかい?

さて、結局踏み込まなかったリコード的Step3.

Step2.のベタインの摂取でもホモシステインの値が改善できない場合には、メチオニン(ナッツ、牛肉、乳製品、魚介類、豆類など)の摂取を減らすように「アルツハイマー病 真実と終焉」には書かれています。これはBREDESEN先生、ちょっと待って!と言いたいです。

メチオニンは必須アミノ酸で、取り入れないと体内で合成することができない。
必須アミノ酸は

・トリプトファン
・リジン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・スレオニン
・バリン
・ロイシン
・イソロイシン

の8種類、または、ヒスチジンも加えての9種類なのですが、バランスよく摂取しないと利用されないという性質があるそうで、「アミノ酸の桶」と例えられています。桶の板がどこか寸足らずだと、そこから水が流れてしまって上まではいらないって。

だったらですよ、メチオニンの摂取量を控えてしまったら、必須アミノ酸全部に影響が出てしまうじゃないですか?まずいですよ、ホモシステインが下がることのメリットよりデメリットの方が大きそうです。

結論:もうホモシステイン計測はしません

そして、この一件でYOROZUは決心したのです。

「アルツハイマー病 真実と終焉」一冊にたよってないで勉強をするんだと。
本や論文だけじゃなく、ウェビナーや連続講義や、知らないことを知ってそうな人のお話は聞きに行く。そこを入り口に調べられる限り調べまくる。

延々4回にわたって失敗談を披露してきましたが、これはだれもが陥る可能性がある穴だと思います。(落ちない人もいるかもしれないけど)

メチレーションのバランスがとれていれば、ホモシステインは低値に落ち着く
これは、目指すべき目的地。そのためにホモシステインにアプローチする。

ホモシステインが低ければ、メチレーションのバランスがとれている
というのとは、ぜんぜんそうとは限らない。

毛髪や尿検査でメチレーションの状態を追跡する方が確実にメチレーションの状態をモニターできるし、他にもミネラルや毒素曝露の追跡も可能、メチレーションがバランス取れればホモシステインは絶対に低値に落ち着いてるはずです。

手段に振り回されることなく、着実に目的地に向かっていきたいものです。


インフォメーション

ヨロズ公式Webサイトはこちら。
ReCODEプロトコルver.ヨロズ、他、全活動についてご案内しています


Facebookグループ 何ぴともアルツハイマー病で死ぬなかれ! ではヨロズのヌートリジェノミクスNOWを主にライヴで発信中。



ヌートリジェノミクスの第1歩
メチレーション関連遺伝子検査↓こちらです
23andme の遺伝子検査を検討なさっておられるなら、こちらをおススメします。あとあととても役に立ちます。


なんでこんなにお値段が!?ってほどの違いがありますが、

88ページのガイドブック
247ページの遺伝子別 対応の手引き
63ページのそれに対する解説

検査結果に対する解析、アドヴァイス、すべて日本語でサポートなしで乗り切るのはかなりの根性がいるものかと思われます。
経済的に苦しいヨロズは可能な限り英語で頑張ります。

ヌートリジェノミクスは まずこちらの本から


Amyプロトコルの日本語による全面サポートはこちらです


YOROZUが運営するFacebookグループです


Facebook・Twitter・mail など個人的に連絡くださるのも歓迎します。
主人は改善が難しいと言われる型ですが 私たちは歩き続けています。

ヨロズオリジナルグッズ

闘病7年目の精神世界を描く奇跡のアルバム「今吾誦(いまあじゅ)Image san nom」
CD  \1,800 楽譜¥2,200+送料 お問い合わせください

デジタル音源ダウンロードはここから
全曲試聴もできます

CD「おかえりなさい」2020年リマスター版
¥1000+送料  お問い合わせください
デジタル音源ダウンロードはここから
オリジナルリコードソング3曲は必聴!全曲試聴もできます



Youtubeチャンネルにリハビリの様子が時系列でならんでいますYOROZU×YOROZU

生活視点 生身で体当たりのブログはこちらです~そのまんまでいいよ&ゆっくりしいや~こちらもよろしくお願いします


コメント

このブログの人気の投稿

メチレーションで終末期からの逆転を狙う(その1)

驚愕!デトックス能は復活&絶好調:メチレーションで終末期からの逆転を狙う(その4)

胃瘻は戦闘ツール:メチレーションで終末期からの逆転を狙う(その2)

ああ、代謝の個性を無視しないで!:メチレーションで終末期からの逆転を狙う(その3)

リコードプロトコルver.ヨロズ 振り返りレポートシリーズ

緊急事態 現時点での考察/水銀があやしいかも

カビ毒がゼロになった!ヨロズハイパー解毒(その1)

検査結果速報!大排泄フェーズの主役はタリウムだった

撤退を決めるポイントを確認しておけば前進することに迷わない

Ⅲ型アルツハイマー病との闘いが行きつく先は?(その6): 5年分の解毒作戦総括 (4)ヒ素!命があぶない