ホモシステインの値は何も語ってくれない(その3):そのサプリメント、どんな配合ですか?

もう空振りしない、ていねいに代謝改善からの本気で解毒の3年目。そろそろ卒業する気満々だったのに解毒おわらず4年目になだれ込みのYOROZUです。
1年目から2年目にかけてのホモシステインのふるまいの裏にあった代謝事情を推理、その3回目。


レポートシリーズです
リコード2年 をレポート / 解毒篇その1(こんなことをやりました)
リコード2年 をレポート / 解毒篇その2(水銀)
リコード2年 をレポート / 解毒篇その3(バイオトキシン)
リコード2年をレポート  / 解毒篇その4(検査結果から
リコード2年 をレポート / 生活篇その1(知らずにやってました
リコード2年 をレポート / 生活篇その2(検査難民 めかくししたままのあゆみ)

まずは前回までの復習から

コグノスコピーでの目標値〈7以下〉とされ、少なければよいように見えるホモシステインとは必要なアミノ酸であり、メチオニンとのリサイクル、イオウ転移、オプションのベタイン転移の3コースへの代謝バランスがとれていて、その結果蓄積がなく低値である、というのが大切ということ。
ビタミンB12の摂取でホモシステイン値が下がるわけ。しかし、下がったと言えど100%よろこんでばかりはいられない。その実例としてYOROZUの場合何がおきていたかの推理でした。


リコードサプリ:Step1~2.

Step1.
1日あたり、P5Pを20~50mg、メチルコバラミンとアデノシルコバラミンを合計で1mg、メチル葉酸を0.8mgから最高で5mgまでを服用する。

Step2.(Step1.で改善できない場合)
グリシンベタイン(トリメチルグリシン)を1日500mg 追加する。



リコードスタートから半年をすぎてなお検査難民で悶々としていたYOROZUはネットでオーダーできる葉酸代謝遺伝子検査を受けることにしました。

そして、その結果をもとに・・・

2018/01 Thorone Reserch メチルガードに変更 

Thorne Reserchのメチルガードは、同ブランドのBコンプレックスに比べて多量のメチル型活性ビタミンを配合してあるアドヴァンスタイプとされています。結果的には大失敗だったこの変更は、MTHFR(葉酸代謝遺伝子)検査の結果、変異遺伝子が二つある C677T(+,+)あるいは(T,T)ともいわれるタイプだったということに対応しつもり。

 C677T(+,+)だと、葉酸が不足してホモシステインが蓄積しやすいんだな、だったら、ハイドースのサプリメントが必要でしょう、という半端な知識によるものでした。ビタミンハイドース摂取にはリスクがあり、MTHFR以外にも確認すべき点があるので失敗例として参考にしてください。
以下、解説&レポート続けます。

C677T(+,+)について解説

遺伝子ポイントC677Tにある葉酸代謝遺伝子が関係する酵素は、食事で摂取した葉酸(葉っぱのお野菜に多く含まれる)に、メチル基を付与してメチル葉酸にする働きがあります。ビタミンB2、B3、B6、それからここでもATPがヘルプして、何段階かの変換の結果5MTHF(5メチルテトラヒドロ葉酸)という活性型にするのです。

そして、そのメチル基をB12に転写、B12はメチルコバラミンンとなってホモシステインをメチオニンへと戻すことができる、となります。その際に忘れちゃならないのが、リチウムとATPのヘルプです。

C677T(+,+)というのは、この遺伝子にふたつの変異があって5MTHFを作り出す効率が悪い、結果としてホモシステインをメチオニンへもどす力が弱くなり、ホモシステインが蓄積しやすくなるといわれています。



しつこくATP、ATPを繰り返しているのには訳があります。
メチルガードには、ATPを生み出すクレブス回路で働くはずの【アデノシルコバラミン】そして葉酸以外のB群が配合されていないのです。

はて?と思う方は復習してください↓ ↓

ホモシステインの値は何も語ってくれない(その2):なぜビタミンBコンプレックスなのか?2017/06より  Thorone Reserch ベーシックBコンプレックス(旧製品)に変更のところ

そして、遺伝子的にもアデノシルコバラミンといっしょに働くはずの酵素、ACATを作る遺伝子に変異があり機能が低下していたのですが、遺伝子検査ができていない状態ではそんなことは知る由もなく、ATPがどんなに代謝にとって必要なものかもわからず、アドヴァンスタイプのサプリメントなんだからね!と信じていました。

わかっていれば、アデノシルコバラミン他のサプリをプラスすることもできたはずなのですが、思いつくわけもないので、確実にATP枯渇→代謝停滞へと向かうことになったと推理することができ、毛髪検査の結果にははっきりとその様子が出ています。

1回目:超初期(薄いグレーの棒)
ビタミンBコンプレックス摂取1か月目

2回目:リコード効果が出始めて(濃いグレーの棒)
メチルガード摂取3か月目


リチウム

枯渇寸前だった、B12を使った代謝に必要なリチウムは、サプリメントの摂取によって増加しているにもかかわらず、

コバルト

コバルトの排泄がガクンと落ちて、これは、摂取したB12がまったく使われていないということを示唆しています。B12をハイドースのものに変更しているのにもかかわらず、です。つまり、リチウムといっしょに働くはずのATPの枯渇が疑われる結果ですが、当時のYOROZUは「あれ?なんでかな?」と思っただけ。B12とホモシステイン⇔メチオニンリサイクルの関係も知らなかったし、コバラミン→コバルトを結びつけることもできなかった。こりゃあ、もう、検査がもったいない。


「アルツハイマー病 真実と終焉」には単に【合計で】と書かれていますが、ほとんどの人にとって【メチルコバラミンとアデノシルコバラミンを半々で合計1mg】ぐらいに思っていいのじゃないか、と個人的には思っています。遺伝子的にメチルコバラミンを受け付けない場合もあるのでその場合は【ハイドロキシコバラミン】(これ、重要!)がいいと思います。

きっとピンときた方はおられると思いますが、そう、遺伝子的にメチルコバラミンを大量に利用することが苦手な変異がありました。

とはいえ、同じタイミングで有酸素運動&筋トレの強化に取り組んだことで強烈な不具合をおこさずにすみ、プロトコルはうまくいってると思い込むといううれしくないトラップにはまり込んでいた1年目。痛恨です。

その状態ではじめてのホモシステイン計測
2018/04  ホモシステイン:8.2 nmol/dl


若干高いけれどとんでもなく蓄積しているというほどでもないこの数字からは、上記推理のような状態を読み取ることは不可能です。遺伝子の状態を知り、毛髪や尿検体でチェックする知識があれば誤解をすることはなかったでしょうけれど、当時、この数字を見て思いました。「困難な3型と言いながら、なかなかよくやってるんだな。もうひといき、何とか目標7nmol/dlまでさげたいな。Ketoflexがんばるかあ」

ちがうのです。

毛髪検査の結果で完全に代謝が止まっていることが示唆されているにもかかわらず、さほどホモシステインが高くない。これは、ハイドースの活性型ビタミンB群は、ホモシステイン⇔メチオニンのサイクル以外にも代謝に負担をかけるルートに流れて、その結果下がることがあり、しっかりそのトラップにはまっている、ということなのです。低いことがかえって危険。ホモシステインの値だけでは何もわかりません。

ビタミンB群サプリメント比較

使ったサプリメントを検証

さて、さらに2年目の空振り具合を詳しく見る前に、そうだ!1年目に摂取したB群サプリメントの成分を検証してみようと思い立ちました。いまさら感たっぷりですがやってみます。

ベーシックBコンプレックスから【アデノシルコバラミン】がなくなったように、各社、リニューアルしている可能性ありですが、興味深くておもいっきりテンションアップしてしまいました。うわ~知らなかった(当時)知らないというのは恐ろしいことだ。
Dodtor's BestのFully Active B12 って結構なハイドース、しかもまったくのB12のみで葉酸の代謝が悪いのにこれはきついなあ。ミネラルバランスもわからないで、これだけをいきなり投入したらリチウム枯渇は当然、おそろしや~。このサプリメントはB12欠乏対策としてビタミン・ミネラルサプリとバランスをとりながら使うべきだなあ(と、今ならわかる、悔しい)

Thorne Research ベーシックBは代謝全体のサポートをねらった感じですね。旧バージョンでは確かメチルコバラミン:アデノシルコバラミンが1:1で配合されてたと記憶しています。合計で?どれくらいだったのか?ちょっと確かめようがないですが、これは「すごくいいよ」と言われたのもうなずけます。今、このバージョンを使うなら、アデノシルコバラミンとハイドロキシコバラミンをプラスできる製品と組み合わせるのいいかも?やってみようかな?P5Pが若干多い?う~ん難しいですね。

Thorne Research メチルガード 葉酸(5MTHF)の2,000mcg はえらいこっちゃ!これだけのメチル葉酸に対してメチル基を受け取れるだけのB12が食事で摂れるとは思えないのでほぼ全量が余ってグルタミン酸放出につながったと思われます。葉酸は余るとグルタミン酸を放出するんです。興奮性刺激で、幻聴、側頭葉てんかんのような症状が出たのも当たり前だ!食事でグルテン、カゼインを制限していなかったら「グルタミン酸ストーム」の状態になってた可能性も。クワバラクワバラ。

リコード推奨は
Step2.(Step1.で改善できない場合)
グリシンベタイン(トリメチルグリシン)を1日500mg 追加する。

ベタインの配合も過激ですね。きっとホモシステイン値低下の助けになったと思われ、だからこその 8.2nmol/dl だったのでしょうけれど、グルタミン酸と相互作用する可能性があるベタイン(トリメチルグリシン)が出会ってしまうのはかなり危険。

好奇心止まらずさらに比較

ちょっと待って、メチルガードは3錠当たりで成分表示されてるけど、1錠だったらどうなるの?ついでに「どこがちがうんだろう?」とぼーっと思ってた Thorne ResearchのビタミンB複合体#12 についても比べてみましょう。
おっと!これは意外な結果。

Thorne Research ベーシックB については上述の通りの感想。

Thorne Research ビタミンB複合体#12 クレブス回路が強い人向きかな。P5Pの 23.4mg もなかなかハードですね、きっと代謝がしっかりしてる人向きなんだろうな。主人には無理です。

Thorne Research メチルガード 1錠あたりに換算してみると意外!これ、いいやん!になりました。P5Pもやさしい配合。配合されてない成分に対して補充を考えて・・・ってそれが難しいか。いや、しかし、やっぱりベタインはB12といっよになってたら「めかくし」になっちゃうかな。サプリメント選びは難しいです。

そして次回につづく

振り返ってまとめながら、自分で「おお!」と驚く無知との遭遇。マニアック記事にお付き合いありがとうございました。当時は必死だったんですけどね。

Step2.(Step1.で改善できない場合)
グリシンベタイン(トリメチルグリシン)を1日500mg 追加する。

Step3.(Step2.でも改善できない場合)
メチオニンの摂取を減らす(ナッツ、牛肉、乳製品、魚介類、豆類)

さらにさらに無知が炸裂するビタミンBをめぐる2年目のサプリメンテーションレポートは次回。少しでも参考になればと続けます。

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なんでこんなにお値段が!?ってほどの違いがありますが、

88ページのガイドブック
247ページの遺伝子別 対応の手引き
63ページのそれに対する解説

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