リコード探偵MUSICA YOROZU:記憶障害をめぐる 大河ドラマ級の妄想

リハビリ続きます
そして起こり続ける不思議現象。これは神経再生の物語?それとも不可逆的な神経死滅による消失?
YOROZUお得意の大胆妄想にお付き合いくださいませ


皮質全体に広がるダメージ
3型アルツハイマー病、実に不思議なアルツハイマー病
毎回似たようなレポートで申し訳ありません・・・
もう慣れっこになりましたが、ホントに居心地悪いです。いったい私たちは何と闘ってるんだろう?と。

リコード2年、さわると消える リハビリの恐怖
リコード探偵  YOROZU :計算カード迷宮

記憶障害

スペクトによる脳血流低下、MRIによる萎縮、髄液検査によるアミロイドβ40、Pタウ、Tタウの上昇。アルツハイマー病と診断するのに十分な条件。
なのに、主人の場合、アルツハイマー病の看板ともいえる新規記憶を形成する際の「記憶障害」は始めからほとんどありません。

記憶に関するいちばん目立ったトラブルは 見比べたり脳内で思考を巡らしたりするときに使う「超・短期記憶」
1秒以内~数秒の記憶が消えてしまい、メモを取ることや文字から意味を理解することが困難でした。リコード2年たち、かなり回復しました。

そして、もう一つの記憶トラブル これはリコード1年目あたりから顕在化してきたもので、「古い記憶の喪失」です。
子供時代のこと、教師時代のこと、子供が何人いるのか、そもそも私との関係は(夫婦ですよ!)など、現在の状況からたぶんそうだろう、とは思うけれど、裏付ける記憶がない。おぼろげなイメージはあるので、ない、というよりは引き出し不能というべきかもしれません。
「超・短期記憶」の復活と引き換えに「過去記憶」へのアクセス能を失ったというのだろうか?リコードの副作用?それとも単に 進行により記憶が失われたということか?

変則的な記憶障害が引き起こすトラブル

「超・短期記憶」を取り戻し「過去記憶」を失い始めてから、主人はたくさんの能力が怪しくなりました。
特に言語 書字&音読は壊滅的で、動作失行もひどくて着替えやトイレに支障が出る。
「過去記憶」としてファイルされているはずの日常動作がスムーズに取り出せなくなり、文字のイメージ、音声、発音するための舌や唇の動き。つまり言語を使ったアウトプット機能が使いづらくなりました。
そのため言語による問いと答えで判定するMMSEによると半年で18ポイントという急降下!(その前の1年では10ポイントの上昇)常識では考えられない乱高下です。
リコードのせいで進行を速めてしまっているのか?
そして、言語障害と動作失行がセットになると、失認識があるように見えてきます。
実際、時間も曜日も言葉で表現できないわけですし、記憶はできても復唱ができなかったり 発音ができない。同じく ものの認識、行動の指示、場所もわかってないかのように見えてしまう。

判断力&思考力:パラドックスと苦悩

本人レポート(レポートするだけの分析的思考力があるということなんですよね・・・)
出そうで出ない言葉をつかまえようともがく苦痛が新規記憶として積み重なっていくとホトホト疲れ果ててしまう。「もう、どうでもいいじゃないか」と放棄してしまうのだ。言えなくてもいいじゃないか、できなくてもいいじゃないか。特に日常生活に困るわけじゃなし・・・と。
ちょっと待て!その投げやりな態度は 残っている脳力を休眠に追い込んでいってしまうではないか!!
そしてこのまま後期突入?
リコードでの回復が裏目に出る、それは絶対にありうる。
ちょっと待て!ちょっと待て!ちょっと待て!
「伝える」努力、放棄してはなりません!

音楽ではどうなる?

ご承知の通り、リコードプロトコルver.ヨロズの大きな柱のひとつには音楽があります。
そして、ああ、ホントに音楽があってよかった。
どれほど指が言うことを聞かなくても、「あらら」と思いもしない音を出してしまおうとも、「努力」それが音楽修行では何より大切。
そして主人も私も立派な「オタク」ですから、できない記憶がどんなに積み重なっても 毎日楽器を構えて音を出すことに何の疑問もない。ご飯がなくても楽器があれば問題ない。

それでも出ましたね、一番失行がきつかったころには。「もう、無理だろう・・・やめるしかない」というコトバ
そして「できない、その恐怖で身体が震える」とまで。

元来、演奏家修行では 何としてもこなせない音型に2カ月、3か月 絶望しながらとりつくなんて言うのはざらです。場合によっては身体改造含めて年単位でチャレンジしたりもする。自分でも実践してきて、教師として生徒にも説明し続けた、当たり前のこと。当たり前とわかっちゃいるけれど、それでもくじけそうになるほどに厳しかった。

厳しかった、はい、「過去形」です。
意志力で失行をひっくる返せるようになりましたから。
めちゃくちゃに集中力がいります。1音出したらドテッとひっくり返ってしまうほどに。
「ひえ~っ!しんどっ」と思わず声が出ます。
ひとつずつ、ひとつずつコントロールして3音で限界、だったのが昨年9月ごろ
12月には6音で限界、そして4月現在12~15音へとのびています。
集中力が切れたらその時点でめちゃめちゃになります。
どんなに集中しようとしても集中できない日もあり、そんなときは OH,NO!! 大混乱です。
余裕の顔をして、流暢にやり始めたらNGです。判断力がない現実から乖離した旧回路を使っての綱渡り。(本人自覚なし)混乱の末 八つ当たりして大バトルに発展したりしました。(過去形です)

それでも練習を欠かすことなく続けた。これはホントにバカでオタクとしか言いようがない。横に座り続けた私も相当のバカです。 食いしばった歯が3本ダメになりました。髪の毛がゴッソリ抜けました。それでも二人ともやめなかった。

名前を書くことも、自分の年を数えることもあっさり放棄した主人が、オーボエを演奏することは放棄しなかった。名前も書けなくてもいいか・・・と私も放棄してました(笑)
絶対に手放したくない「何か」の存在はすごいなといまさらながら思います。
放棄していた間に完全できなくなったことたちに 今、苦しめられていますが。

リコード探偵MUSICAの考察

新規記憶の形成は海馬に関連が深く、超短期記憶は前頭の機能と言われています。
また、海馬を経由して整理された記憶は前頭にファイルとして保存されているのだと。

一番はっきりとダメージをこうむっていた 「超・短期記憶」に回復らしき気配が見え始めたのはリコード半年ごろ。少しずつ前頭にシナプスが増え始めたのではないでしょうか?
鮮やかにではありませんが「超・短期記憶」はすこしずつ力を蓄えていきました。
鍵盤を使ったトレーニングで 手の位置を視覚的にコピーするための眼球の動きで観察できました。
そして1年目ごろ とうとうダメージを受けたシナプスを放棄して新しく張り巡らされたシナプスへと移行を始め、そして、いまだに過去にファイルした記憶へのアクセスルートを作れないでいる、どころか ほぼ古いルートを捨て去りアクセスの混乱があちこちで起こっているようです。

「超・短期記憶」「新規記憶」がそろうと「学習」が可能になる?


失行、大混乱の動作は 乳児期、幼児期のあどけない動作と酷似しています。
指しゃぶりができずに こぶしのまま口に入れようとしてかんしゃくを起こす、目の前にチラチラするものをつかんだら、自分の足だったとパニックで泣き叫ぶetc.子育てシーンでは珍しくないこと。
無意識で反対向きに握りしめた袖がどうしても離せなくて トレーナーが着られない、髭剃りが1か所だけを往復するのをコントロールしようにも どうにもこうにもetc.
苦笑して、癇癪を起して、助けを呼んで、そんな記憶が蓄積されてそして学習が始まってきました。

トイレにはどっちを向いてすわるのだったっけ?

以前は立って使用していたトイレを座って使用するスタイルで学習しなおしました。

ズボンは裏返しに脱ぐと 次に穿くときに苦労すると 裏返さずに脱ぐということ、ボタンを掛け違えないために鏡を見ながらシャツを着ること(左右反転にとまどい、長らく鏡が見られていませんでした)

すべてはダメージ箇所のバランスと復活のタイミングで起こってくることなのでしょう。

「超・短期記憶」の復活と引き換えに「過去記憶」へのアクセス不良がやってきて、四苦八苦する、そんな自らの姿を自覚して反芻してしまう「新規記憶」

トライ&エラーを蓄積することで「学習」を可能にする「新規記憶」

もともと海馬のダメージが厳しくなかったのはラッキーだったのか、アンラッキーだったのか?

厳しいリハビリに浪漫的妄想をひとつ

音楽バカでオタクでとことん教師な主人の本棚に詰まった本のジャンル
もちろん「音楽」が多いけれど「数学」「脳科学」「言語学」が結構な場所を占めています。

「音楽を完全な言語として使うようになった時、人類の脳は新しい時代を迎える」

コンピューター言語の次は音楽だ。だから音楽教育が必要なんだ。音楽は嗜好品ではない!
教師になったばかりのころ、そんな夢を語っていたことを思い出しました。

いちばん厳しい状況の中、立ち止まらずにリハビリを続けた主人が若いころ見た夢を自ら成し遂げようとしていると思うと少しばかり苦悩にも耐えられる気がします。

「音楽を完全に言語ツールとして使いこなし、自分の脳を新しく作り上げる」

さて、次にアクセス不能になるのは どの「過去記憶」で 結果どのような失行をまねくのでしょうか。
星のない真っ暗な海をどこかの岸にたどり着くまで漕いでゆくのみです。

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